森田陽一 『双子と幼なじみの四人殺し』 (GA文庫)

双子と幼なじみの四人殺し (GA文庫)

双子と幼なじみの四人殺し (GA文庫)

こうして――事件は収束した。
だが、それはあくまでも収束しただけだ。終わってなんかいない。
そして、この事件は終わらない。
これから台無しにされる。

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高校生の菱川迷悟は,双子で幼なじみの姉妹,新山一縷と新山朽縷と同居していた.学園で過ごしていた彼らの前に,ある日飛び降り自殺の死体が落ちてくる.もともと強すぎる正義感の持ち主である迷悟は,突き落とした人間が見えたという双子の証言を聞き,事件に首を突っ込むことになる.
第3回GA文庫大賞奨励賞受賞作.男子高校生と双子女子高生のどろっとした共依存を描く,どろっとしたミステリ.それぞれにいびつなところがあるキャラクターたちの,いびつな人間関係.いわゆる「正義感の強い主人公」をカウンター風に使って話を動かしているのも楽しい.良い意味で一昔前の青春ミステリのような雰囲気があるのかな.気のせいかもしれないけど同世代を感じる.楽しゅうございました.