ツカサ 『熾界龍皇と極東の七柱特区(アヴァロン)』 (ガガガ文庫)

熾界龍皇と極東の七柱特区(アヴァロン) (ガガガ文庫)

熾界龍皇と極東の七柱特区(アヴァロン) (ガガガ文庫)

「無理なんだよ、共存なんてな。俺はこんな場所を、理想郷だなんて認めねえ」

熾界龍皇と極東の七柱特区(アヴァロン) (ガガガ文庫) | ツカサ, 夕薙 |本 | 通販 | Amazon

新エネルギー,幻素(イデア)の発見により,人類はエネルギー問題を解消すると同時に(エナ)との邂逅を果たす.人類に観測されることで在り方を変えた神々は幻類(エナ)として人類の隣人となったが,ふたつの種族はやがて決定的な決裂,崩壊戦争を迎える.それから10年,人類と幻類(エナ)は仮初めの平和と復興の途上にいた.
ガガガ文庫では2年ぶりとなる新シリーズ.物語の中ではなく,冒頭で設定資料として世界観を説明してしまうのはやめてほしいのだけど,それがなかったとしてもすんなり話が飲み込める.説明を話に組み込んで苦もなく読ませるのがうまい.さすが.
描かれるのはふたつの民族の対立,憎悪,融和,復讐.志は間違いなく高いのだけど,いまひとつ乗りきれなかったのは,昨今のニュースとのシンクロを感じてしまうからかなあ.不謹慎な言い方になるけれど,現実のニュースのほうがずっとカオスで面白いし,同じテーマをライトノベルでやろうというは分が悪い.そういう話じゃねぇからこれ! と言われたらまったくその通りなので申し訳ない.続きを楽しみにしています.