赤城大空 『下ネタという概念が存在しない退屈な世界8』 (ガガガ文庫)

「……私があなたに教えてきたことは……いえ、教えてこなかったことは、間違いだったのかもしれません」

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技術大使として来日したアニー・ブラウンのおもてなし係に無理やり命ぜられてしまった狸吉.口を開けば下ネタしか言わないアニーだが,その目的は《SOX》を潰すことであった.アニーに振り回される狸吉だったが,一方,アンナから妊娠したと突然告げられて.
不健全を封鎖した社会に訪れた第三次ベビーブームの到来が新たな歪みを浮かび上がらせる.シリーズ8巻.毎度毎度の流れるようなマシンガン下ネタは素晴らしいの一言.双子の腐女子で腐多子とか,すごくうまいことを言う.ほんと,すごいセンスだと思うのよ.それでいて,ベビーブームに日本がわく裏側で,「いまこの国で子供を授かることがどれだけ厄介なことか、貴様には想像がつかないらしいな」というテキストを平然と言わすという.思い出したように社会派なことを言い出すのは嫌いじゃないわ.7月からのアニメ化を楽しみにしております……というか,セリフとかそのままアニメ化したらえらいことだと思うんだけどどうなるんだろう.