東亮太 『闇堕ち騎士(ナイト)がダンジョン始めました!!』 （スニーカー文庫）

闇堕ち騎士がダンジョン始めました! ! (角川スニーカー文庫)

「ふふ、肉体を捨てることなんてできませんわ。たとえどんなに、ボロボロに朽ち果てたとしても」
「どうしてさ」
僕が不思議に思って訊ねると、タニヤは微笑んだまま、静かに答えた。
「だって……わたくしは人間ですもの。お兄様なら、その気持ちがお分かりでしょう？」
僕は――口を閉じた。

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元冒険者のナオハルは，あるダンジョンで魔剣を手にしてしまったことで魔族へと転生してしまった．人間として生活できなくなったナオハルは，魔剣を手にするきっかけとなったドラゴンのフェリスとともに，新しいダンジョンを立ち上げ，人間に戻るための資金稼ぎをすることになる．
戦争が終わり，平和になった時代のダンジョン経営を描く転生ものファンタジー．押さえるべきところを押さえ，しっかり考えた手堅い作品だと思うのだけど，最近では似た題材が多いし，小さくまとまっている感じで目立つのは難しいかな．