神無月セツナ 『クレイジーハットは盗まない2』 （ガガガ文庫）

クレイジーハットは盗まない 2 (ガガガ文庫)

「お前はいつか必ず偉大なことを成し遂げる。誰もがお前を見上げて称賛するんだ。『さすがはリジー！』『私もあんなふうになりたい！』ってね。そのときのお前は、太陽のようにキラキラと輝いているだろう。醜い嫉妬も、陰口も、天の輝きには届くまい……」
「太陽か……！　そんとき、あんたはどこにいる？」
「俺か？　もちろんお前を見ているさ」
虚をつかれたが、すぐに頷きを返す。手のひらを広げ、眩しい光を透かすように、
「俺はギャラリーに向かって胸を張り、こう叫ぶんだ。――見てくれ！　あいつは俺の親友なんだ！　誇らしいなあ……」

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とあるご婦人から不思議なキューブを譲り受けた「人喰い帽子」ことシャルル・クロウリー．ミステティカの施設の場所を示すというキューブに導かれて〈冥界の航路〉へと赴く一行．だがそこには罠が待ち受けていた．
心のない怪盗は「革命」を志す．こんな表紙とあらすじなのに，愛玩人形の素体（人体）加工やら革命勢力の皆殺しとか，やっていることは普通にエグい．あのキャラクターが死ぬとか想像できないだろ……．鋼鉄の都市を模して造られた空飛ぶ都市，魔法と蒸気と永久機関，ふたりの幼なじみの乳を交互に揉む主人公．テキストもみずみずしく良い意味でごちゃっとしているのが楽しいのだけど，どこか悪い意味での軽さもある．嫌いじゃないんだけどちょっと露悪的なのかなあ．