- 作者: 越智文比古,カグユヅ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2015/02/24
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る
「もしも戦いの中でぼくが死んても、ううん、極端な話、シャルロットもチェルシーも全員死んで、レオンがウィンチェスター教官のように過去に戻れることができたとして、それをレオンの意思で決められるなら……戻らずに、この世界で生きてほしいんだ」
Amazon CAPTCHA
話の意図がつかめず、レオンは顔を強張らせて聞いているだけだった。
「唐突な話でごめんね。でもぼくは思うんだ。きっと何回過去に戻っても意味なんてなくて、ただレオンが傷つくだけで、最後には疲れ果てて心が壊れちゃうんだって……そんな目に遭ってほしくない」
レオンたちはウィンチェスター教官の遺志を継いで戦うことを決意する.「ウィンチェスター文書」を頼みに,未来の悲劇を回避するべく藻掻くレオンたちだったが,起こるはずの現実と文書の記述に齟齬が現れ始める.
クトゥルフ神話からさらに離れた感じのするファンタジー第二巻.未来の主人公が書いた「ウィンチェスター文書」はどこでずれていくのか,が話のメインとなっており,実はファンタジー風の時間ミステリなのかもしれない.導入が説明調だったりとか,ウィンチェスター文書と実際の現象の検証がまさに答え合わせにしかなっていないこととか,物語に筆力が追いついていないような気がする.良いアイデアだと思うので,あとちょっと膨らませればとても面白くなりそうな気はする.どんなもんでしょう.