冲方丁 『テスタメントシュピーゲル 2 下』 (スニーカー文庫)

今日が涙の日だ――灰となった心の底から死者がよみがえる審判の日。
怒りの日がもたらした炎の果て――自分ならやってのけられるだろう/ずっと何もかも吹き飛ばすことを夢見てきたのだから――ほの暗い寝室で爆弾とともに眠る父親と一緒に幼い雛もそれを唱えた――爆炎の天使祝詞(アヴェ・マリア)――何もかも塵に還るよう祈りを込めて。
特甲レベル3(トッコー・ニヴォー・ドライ)の転送を実行します
眩いばかりの閃光――地下に曙光が差し込んだかのような輝きが勃発した。

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車両の先頭――巨大な黒い鋼鉄の上で漆黒の特甲少女が立ち上がる――予備動作なし=砲弾のように跳躍――その高らかな声――けたたましい汽笛の音と走行音を貫いて届く叫び。
「止まらず進め!! 前へ進み続けろ(キープ・オン・ムービング・フォワード)!! 真っ直ぐ前へ(ストレート・フォワード)――!!」

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MSS視点を中心に描く「テスタメントシュピーゲル」二巻の下巻.ミリオポリスに仕掛けられたAP爆弾の捜索を通じ,紆余曲折ありながら大きな成長と見せる(ツバメ)(ヒビナ)に対し,すべての十字架を背負わされたかのような(アゲハ)が不憫でならない.すべてを打破し,どうか幸せな結末が彼女たちに訪れますように.帯の「今夏連載開始予定!!」を信じて待つし,なんならまた5年待つ覚悟もできた.