- 作者: 一肇,安倍吉俊
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/11/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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地が揺れている。
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膝が、音を立てるほど震えている。
――俺はもうここに居たくない。一秒だって居たくない。それはけたたましく俺の中で鳴り続ける警告音だ。これ以上、この絵を見ていてはいけなくて――そして、この絵はこの世界にあってよいものではない。
「美鶴木夜石・健全化計画」とは,普通にしていればかなりの美少女である美鶴木夜石を普通の女子高生にしてやろうという企てである.が,これが一筋縄でいくはずもなく.
「深淵」を見てしまった少女との「青春怪談小説」.心霊写真売りの少女,こっくりさん,イマジナリー・フレンド…….ヒロインがゲロを吐くアニメは名作」と世間のひとは言うようだけど,ヒロインがこれほど何度もゲロを吐く小説もめったにない.平均して一章に一度は吐いている.なんというか吐き方,というか吐いたあとの処理に変な生活感があって,読んでると喉が痛くなってくる.緩急の利いた良質なホラーが並ぶ中,一本だけ毛色の違う「惑星の憂鬱」が不思議で良かった.作中で言及される「吉備津の釜」以外にもいくつか元ネタがありそうな気がするのだけどどうだろう.