山形石雄 『戦う司書と雷の愚者』 (スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と雷の愚者 BOOK2 (集英社スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と雷の愚者 BOOK2 (集英社スーパーダッシュ文庫)

ひどいと、クモラは思った。
化け物のような人だと思って、憎み続けてきたのに、今さらそんなことを言うなんて。
殺そうと思った敵は、ただの悲しい人だった。守ろうと誓った人たちと同じ、悲しい人だった。

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武装司書たちが集う神立バントーラ図書館が,館長代行ハミュッツ=メセタが不在の間に「怪物」に襲撃された.一方,輸送中に盗まれた『本』の奪還にあたっていた武装司書見習いの少女ノロティは,ザトウと呼ばれる男を守るという極秘の任務をハミュッツから与えられる.
第4回スーパーダッシュ小説新人賞大賞受賞作の第二巻.「怪物」はいったい誰なのか,そしてふたりの男の運命はどこで交わっていくのか.骨太なファンタジー世界を舞台に,ミステリ風に描かれてゆく.一癖も二癖もある登場人物たちに翻弄され,過酷な過去に不安になり,残酷な事実に打ちのめされる.いやもうすげえ面白い.ライトノベルレーベルにおいてもまったく古びていない,というか買ってから9年も積んでいて申し訳ない.まだ何冊か積んでいるはずなので,ちょっとずつ追いついていきたい.