森田季節 『封神演戯2』 (ダッシュエックス文庫)

封神演戯  2 (ダッシュエックス文庫)

封神演戯 2 (ダッシュエックス文庫)

「そんなあいまいなものなんですか、歴史って? もっと、永久不変の真理があるからこそ、歴史管理者が存在できるんじゃないんですか?」

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殷が滅ばないという情報を得た太公望は,真偽を確かめるため崑崙を訪れる.そこで太公望元始天尊からふたつの歴史の可能性を聞かされる.一方,殷の紂王に取りいった妲己は,ある野望を抱えて妖しい動きを見せていた.
ふたつの歴史管理者組織,崑崙と金鰲が主張する,ふたつの歴史がぶつかる,仙界大戦の始まり.安能務藤崎竜の『封神演義』を原典に,仙人たちをほぼすべて女の子したシリーズの第二巻.作中数少ないおっさんだった紂王まで,ついには幼女化してしまう.まさに怪力乱神.ほぼ原典通り(たぶん)でストーリーに新鮮味のなかった一巻と違い,なんだかんだと原典から外れつつあるのかな.歴史修正の理屈だとか好き勝手やってて,良い方向に働いていると思う.バックグラウンド(なんで日本の高校生が太公望やってんだ,とか)をほのめかす程度しか語らないのも良いバランスだと思う.武に優れたお嬢様なんだけど激しくポンコツ趙公明ちゃんが可愛かったです.