橘公司(Speakeasy) 『いつか世界を救うために ―クオリディア・コード―』 (富士見ファンタジア文庫)

「――さてと、じゃあ今日も、世界を救おっか」

Amazon CAPTCHA

西暦2049年.世界は突如現れた人類の敵,〈アンノウン〉との戦争が続いていた.神奈川の防衛都市の学園に転入したシノこと紫乃宮晶.彼の目的は,10年以上に渡り,序列一位の座にいる最強の少女にして人類の希望,天河舞姫を暗殺すること.
さがら総橘公司渡航によるシェアード・ワールド小説の二冊目(一冊目は『クズと金貨のクオリディア』(感想),三冊目は『そんな世界は壊してしまえ ―クオリディア・コード―』(感想)).ほか二冊に比べるとオーソドックスな学園ライトノベルの風情.というかその二冊が尖りすぎていた.〈世界〉と呼ばれる異能力の描写や〈アンノウン〉との戦いにいちばん力を割いており,導入編としてはいちばん良い感じだと思う.「ボーイ・ストーキング・ガール」を名乗るラブコメチックなノリや,いくつかの謎を残したまま以下次号へ,という話の流れは非常に手馴れている.まだ面白いとも何とも言えないけども,とりあえずは続きを待ちたいかなと.