つちせ八十八 『ざるそば(かわいい)』 (MF文庫J)

ざるそば(かわいい) (MF文庫J)

ざるそば(かわいい) (MF文庫J)

「おまえ人類なの、麺類なの?」
美少女への質問としては空前絶後であろう。
「ど、どちらかというと比較的麺類よりの魔法少女です」

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ある夏の日,出前でざるそばを頼んだ注文した笹岡光太郎のもとに,自称麺類よりの魔法少女,姫ノ宮ざるそばが訪れる.出合い頭のタイミングでいきなりスポンサーから契約を解除されてしまったざるそばのため,新たなスポンサー探しの協力を申し出る光太郎.その前に新たな魔法少女やらMIB(麺インブラック)やらが現れて.
世界の中心で、ざるそば(かわいい)をすする,的な,第11回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞.父親によってざるそばに改造された麺類よりの魔法少女,ざるそば(かわいい)による人類と麺類の調和を描くラブコメ《麺類補完戦争》(ソバルゲドン)《麺類否定係数》(アンチヌードル・インデクス)《概念破壊兵器》(アンチ・ヌードリック・ウエポン)ロンギヌスの槍(フォーク),などなど,世界観に麺類を絡めた造語をくどいくらい繰り出す.勢いとテンポで疑問を差し挟む間を与えない.深く考えるとちょっとどうかと思わないでもないけど,まあテキストに身を任せて,ひたすらざるそば(かわいい)と思っていればいいのではないかな.読み終わってみると悪くなかった気がします.