藤木わしろ 『ダメ魔騎士の英雄煌路(ヘルトシュトラッセ)』 (MF文庫J)

「……対価ってのは何を払えばいい?」
「対価は、流れの中心にいること」
「……流れの中心?」
「言葉通りの意味。人間という存在が持つ大きな流れ……アルフは、常にその中心にいてもらう。それがアルフに払ってもらう対価」

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公私ともダメの烙印を押されている下級魔騎士アルフ.妹に過剰に世話を焼かれながら,ダラダラと昼行灯の日々を送るアルフだったが,両親の思い出の詰まった家を放火で失ったことにより,近衛魔騎士を決める祭典「騎士祭典(ヘクサフェスティバル)」に出場することを決意する.
第11回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作.「亡き英雄の息子」である主人公の思考経路がさっぱり見えないのがいちばんの問題かなあ.そこを補強するはずの(どこかで聞いたような)世界観も,主人公の言うことと噛み合っていない.挙句,妹に対する「ダメ」な態度も,妹のためを思ってやっているのだ,みたいな理屈がついて,うわあってなった.正直,いろんな意味で「ダメ」だと思う.