落合祐輔 『俺と魔物の異世界レストラン』 (MF文庫J)

人間をマネて人間の娯楽に興じる。リーラの様子を眺めていると先ほどのワーウルフの言葉が思い起こされる。戦前の魔物社会には一部を除き『読書』という文化はなかったそうだが、人間社会を模倣し始めてから、今ではすっかり娯楽として定着したようだ。

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人間界と魔界が和平を結び,交流を図るようになってから10年.「人間就労制度」を利用して魔界にやってきた人間のアーウィンは,魔物たちの働くレストランで日々奮闘していた.
看板娘は吸血鬼,シェフはリザードマンでレジはミミックのレストランへようこそ.第11回MF文庫Jライトノベル新人賞・審査員特別賞受賞作.異世界のレストランを舞台にした異世界ファンタジー(でいいのかな).正直,全体的に微妙かなあ.今ではありふれた題材になってしまったというのもあるけど,人間と魔物の文化交流や摩擦を作中で何度も謳っているのに,それがぜんぜん描けていないのが痛い.ほかにもいくつかあるけど,半端にまとまってしまった感があった.