- 作者: 森田季節,むつみまさと
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/01/22
- メディア: 文庫
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音楽で、民を一つにして、戦争そのものを根絶する。
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しかも、民が制度や慣習を無視したくなるほどのイベントを提供する。
ちょっと戦争が長引いたぐらいでは文化までは変わりはしない。せいぜい人間が多少入れ替わる程度だ。だが、妲己たちは文化すら別物にしようとしている。根底から世界が違うものになっていく。
華麗な侵略行為だ。従来の野良仙人の枠なんて軽々と突破してきやがった。
趙公明を退けた太公望たちだったが,呂岳の宝貝によって崑崙は壊滅状態になる.さらに金鰲から聞仲が単身攻めてくる.一方,幼女と化した紂王を抱き込んだ妲己たちは,超巨大ロックフェスによって宇宙の統合を謀っていた.
美少女たちの「封神演義」最終巻.音楽で宇宙を変えようとする悪役に,愛が困難を打ち砕くクライマックス.「平和で楽ができそうな世界」=できるだけ働かなくてすむ世界を志向し,大した力を持たないながらもいいところを見せる太公望とか,盛り上げ方にどこか少年漫画的な雰囲気があるのは,原典の藤崎竜と安能務が念頭にあるのかな.というか,後半からの急な展開は打ち切り少年漫画をリスペクトしているっぽいという方が正しいか.
なんで太公望が高校生なんだとか,仙人が女の子ばかりなのかとか,細かいところは特に理由付けされない.理屈をつけるのは野暮だと思うんだけど,作中のヒントをみるに,別宇宙の「封神演義」ってことなのかな.良かったと思います.