円居挽 『シャーロック・ノート II 試験と古典と探偵殺し』 (新潮文庫nex)

「ワシらがこの力の行使を許されている理由……それは探偵として正義の二文字を背負っているからだ」

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鷹司高校の正典試験でカンニングの疑いは起こった.剣峰成と太刀杜からんのふたりはカンニングの疑いを晴らすことに成功するが,すぐに新たな証拠が見つかってしまい,事の真偽は学校での裁判である「将覧仕合」に委ねられることとなる.
探偵養成高校を舞台にした「青春×本格ミステリ」の第二巻.どこか少年漫画チックで,生き生きしたキャラクターたちの競演が楽しい.ふたりを教え導く老探偵,金田一剛助の飄々とした様と頼もしさ,そのライバルたちの生き様もかっこいい.カップリング妄想が捗るわ.そしてリーガルアーツ vs. 太刀杜流探偵術が激突する「将覧仕合」こと学園裁判.これらが,探偵とは正義の存在である,という新本格らしからぬ(と思っている)はっきりした定義のもとで描かれるのは作者らしからぬ……と思うのは偏見かしら.面白かったです.