森川智喜 『ワスレロモノ 名探偵三途川理 vs 思い出泥棒』 (講談社タイガ)

ワスレロモノ 名探偵三途川理 vs 思い出泥棒 (講談社タイガ)

ワスレロモノ 名探偵三途川理 vs 思い出泥棒 (講談社タイガ)

私はぞくぞくとしたものを感じた。
ミステリーの恐怖は消えている。
探偵に対する賞賛が、私を震えあがらせたのであった。
私は興奮のあまり、声をはりあげて、
「これが探偵か! こんなやつ、はじめてだ!」

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カギノは自称「思い出泥棒」.ひとの記憶を宝石にする魔法の指輪を使って,相棒のユイミとともに暗躍していた.依頼に応じて記憶を盗む日々を送っていたカギノたちの前に,名探偵,三途川理が立ちはだかる.
極悪名探偵・三途川理シリーズの四作目.今回は「記憶を奪う魔法の指輪」というミステリの禁じ手が武器.今までにもまして,思い出泥棒と名探偵の知恵比べと心理戦を正面切って描いている感覚がある.記憶を奪い奪われる恐ろしさや,探偵の観察眼という基本的な部分をとても鋭く書いていると思う.引用した思い出泥棒のセリフではないけど,「これが探偵か!」という面白さを存分に味わえる.三途川理のクソっぷりも毎度のことよ.
後半はなぜか駆け足気味……と思いきや,ラストには「は?」とリアルに声が出た.とりあえず,早めに続きが出ることを期待しております.