水沢夢 『俺、ツインテールになります。11』 (ガガガ文庫)

「紳士であろうとしているだけで変態なのか……。それがエレメリアンの限界なのか!?」
「いいや、私はエレメリアンの限界を超える! 紳士たれ! 変態たれ! 両立させてみせるとも、左右均等のツインテールのように!!」
「くっ……志だけは崇高だ……!」
エリートの仮面を捨て去った魂の叫びに、俺は怯みかける。

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〈死の二菱〉(ダー・イノ・ランヴァス)を撃退したツインテイルズ.慰労とご褒美を兼ねて温泉を訪れ,キャッキャウフフする面々.だが,四頂軍最後にして最強の一隊,〈神の一剣〉(ゴー・ディア・ソード)が到来しつつあった.
新たな敵の登場,新たな友情の芽生え.次回へのつなぎの意味もありそうな温泉回.お約束の温泉回ではあるけれど,これほど全員が堂々とすっぽんぽんになるのも珍しいし,ここまで色気がないのもまた珍しい.まあこの作品らしくてよい.前回の10巻でストーリーにひとつの区切りがついた感があり,新しい敵である〈神の一剣〉(ゴー・ディア・ソード)の恐ろしさがいまいち伝わらなかったのが難点.今更感を作者も理解している雰囲気はあるのだけど,難しいよなあ.ただし,グリフォギルディの尻フェチの気持ち悪さはじゅうぶんに伝わった.これもこの作品らしくてよい,のかな.