- 作者: 江波光則
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/04/19
- メディア: 文庫
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目は間違いなく破壊されている筈なのに。私が、そうした筈なのに。こいつらは目が見えなくなっても敵を斬る。
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これは、無理だ。届かない。逆立ちしても敵う相手じゃない。どんな獣だって狩り取ってきた私が太鼓判を押す。この自然界で一番恐ろしい獣は結局人間だ。精々、図体がでかくなる程度の工夫しか出来ない種とは違う。こんなふうにまでなれる。
ある傭兵部隊がアフリカで盗み出した非登録のダイヤモンド.30億円相当のそれの現金化を目論んでいた傭兵部隊の前に,殺人バニーガールが強襲する.ダイヤモンドと30億円の現金をめぐって,いくつもの組織が血で血を洗う争いに巻き込まれてゆく.
ウィザードリィを下敷きに,首斬りバニーガールを描いた前作(感想)の約10年後を描いた続編.かなり無茶な話だったので,まさか地続きの続編が出るとは思わなかった.#2というだけあって,「ダイヤモンドの騎士」を意識した固有名詞やネタが多めかな(本国と日本版でナンバリングが違うのはこれと関係なく最近知りました).話のきっかけからして闇ダイヤモンドだし,明らかにコッズシリーズであろう「剣」や「盾」が出てきたり,いろいろわかると嬉しい.
中国,日本,アメリカ,ヨーロッパの各組織の,腹の探り合いの緊張感からの血みどろの殺し合いが凄まじい.バイオレンス小説,クライムノベルとして普通に読んでも水準以上.少なくとも,流れる血の量はそこらのクライムノベルをはるかに凌駕する.ウィザードリィだけに,血と硝煙のにおいに加えて,首もよく跳ぶ.このくらい振り切ってくれると,こちらもただただ馬鹿になれるというか.楽しゅうございました.