草野原々 『最後にして最初のアイドル』 (早川書房)

最後にして最初のアイドル

最後にして最初のアイドル

古月みかは死んだのだ。

しかし、この死は終わりではない。スタート地点だ。ここから、〈アイドル〉ははじまるのだ。

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古月みかと新園眞織は高校のアイドル部で出会う.スクールアイドルとしてのキラキラした日々は高校の卒業とともに終わりを告げ,みかは本格的にアイドルを目指すこととなり,一方で眞織は医学部へ進む.物語はふたりの再会とみかの死から始まる.

〈アイドル〉古月の死と新生から始まる宇宙の熱的死と新生.第4回ハヤカワSFコンテスト特別賞を受賞した『ラブライブ!』の二次創作小説.角川ホラー文庫のような趣味の悪い導入から,天文学的スケールのグロテスクな物語が語られる.選評にもあったけど,どうも全体的に推敲が足りないというか,もっというといろいろと雑な気がする.応募した本人も受賞するとは思ってなかったのではないかと邪推してしまう.どうせなら,徹底的にディテールにこだわってこだわりぬいてリライトした長編版がほしいな.『プシスファイラ』や『宇宙細胞』を思い出しました.