終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#05 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 枯野瑛,ue
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2016/03/31
- メディア: 文庫
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ありふれた英雄物語の決まり事は、もう、役に立たなかった。
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奇蹟を起こす祈りもなく、逆転の一手を打つ者もおらず、すべてを解決する古代の叡智が目覚めることも、なかった。
だから、それまでの経過にふさわしい順当な結果として、人類は滅びた。
――不自然なものには、どうしたって無理が出る。無理なものを維持しようとしたら、当然、余計に失われていくものも出てくる。
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――奇妙に思えるかもしれんがね。平和というやつには、戦争状態よりもはるかに大きなコストがかかるのだ。見えにくいところでな。それが、遥かな古代から、誰もが平和を希求しながらろくに維持できなかった、何よりの理由だよ。
記憶を封印されたヴィレムは,幼い
こうして世界は
余談ですが,平和を維持するのがいかにコストがかかるものか,という考え方はアイアンマウンテン報告*1が面白く読めるので,参考図書として読むといいです.
*1:http://cruel.org/books/books.html 山形浩生のサイトで全文PDFがダウンロードできます