中沢健 『キモイマン2』 （ガガガ文庫）

キモイマン 2 (ガガガ文庫)

「いいんだよ。本気で自分を助けようとしてくれたヒーローがいる。それだけで俺は救われる」

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あれから8年が経った．東京で零細特撮ライターとして糊口をしのいでいた一郎は，大学進学のために上京してきた聖と再会する．美しく成長しながらも，昔と変わらず自分を慕ってくれる聖に淡い期待を抱く一郎．その一方，“ベーグロス”と名乗る謎の仮面のヒーローが世間を騒がせていた．
元最弱のヒーロー，今では一記事300円で糊口をしのぐ生活を送るの巻．高校生は社会人になり，小学生は大学生になった．一巻（感想）が完璧なラストだったし，続編が出ると知ってどうするのかと思っていたので，なるほど！　と思ったことだ．
浮かんでは消える淡い期待，もやもやする気持ちが切ない．前進しているのか，止まっているのかさっぱりわからないし，最後まで何一つ解決した気がしない．ある意味，ヒーローもののとても良い後日談になっていると思う．終盤がかなりの駆け足になっているのが残念だった．いろいろ仕方ないんだろうけど，じっくりやってほしかった．