枯野瑛 『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? #4』 (スニーカー文庫)

悲しい話は、聞き飽きたのだ。絶えた未来の話に顔を伏せるのは、もう嫌なのだ。だから、この閉塞感に押しつぶされそうな状況の中に少しでも明るい材料があるのならと、全力で食いついた。

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フェオドールとラキシュは逃亡した.ふたりを追う任務を負ったティアットは,潜入先の11番浮遊島,コリナディルーチェ市へと赴く.そこはかつての「エルピス事変」が起こった古い街だった.

始まりの事件の街に,始まりのきっかけとなる人々が集まり,黄金妖精(レプラカーン)の秘密がまたひとつ明らかになる.もう語ることもあまりないのだけど,ただただ「終わり」を描いてきた物語も終わりが近いのかな.いくつかの伏線を引きながら,静かにゆっくり終わりに向かっていく感覚.と言ってもあとひと波乱ふた波乱はありそうだし,良い意味でも悪い意味でも裏切ってくれそうな雰囲気はひしひし感じるんだけどね.