- 作者: 樫本燕,ぴょん吉
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/11/25
- メディア: 文庫
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要するに、考え方の問題だ。
この記憶喪失――スキップを自分の意思で使いこなせるようになれば、面倒くさいことを全部飛ばして快適な生活が送れるんじゃないか?
結果が伴えば過程はどうでもいい.面倒くさいことはやり過ごしたい.そう望んでいた高校生,芦屋優太は時間をスキップする能力を手に入れた.気がつくと,記憶のないまま2ヶ月.いつの間にやら優太は学校の問題児,柳戸希美と付き合うことになっていたが,なぜ自分が彼女と付き合うことになったのか,まったくわからなかった.
僕だけが何も知らないまま,ラブコメは進行していく.第13回MF文庫J新人賞最優秀賞受賞作.タイムリープならぬ,タイムスキップものとでも言うのかな.なぜか知らないが冴えない自分がモテていた,という話であり,努力をサボってすべてを失った主人公が,失ったものを取り戻すためにもう一度やり直す,という話でもある.いろんな意味で王道,というかベタなラブコメを組み合わせた話だと思うのだけど,情報の伏せ方がうまいのか,かなり読ませてくれる.主人公が端的に言ってクズなので,共感しにくいところはあるかな.ベタでありながらも読み応えがある,という意味で良い作品だったと思います.