- 作者: ごぉ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2016/04/30
- メディア: Kindle版
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「問題は、不正共振が多く本来の時間膨張波を正確に検出できないことだった。ここで最初の話に戻ろうか。そのタンパク質をコードしている遺伝子――レゾネーター遺伝子は、進化の過程でその塩基配列が変異し機能のほとんどを喪失してしまっていたんだ。人類には不要と判断されてな。要は、件の失われた遺伝子群の一つだったというわけさ」
普通の高校生,羽鳥健人にはある秘密があった.ある時から街に現れた連続通り魔,「サイレントキラー」が自分と同じ能力を持っていると予感した健人は,その足取りを追う.そこで健人は,自分と同じ能力を持つ少女,世良絵里花と出会う.
フルカラーのイラストと4コマ漫画が多めの「SFサスペンスノベル」.同じ作者による『ひまわり』,『ISLAND』の外伝でもあるらしい.いまいちピンとこないところがあったのはどちらにも触れていないのが原因かもしれない(それらしい固有名詞はわかった).
連載の都合もあったんだろうけど,話の展開はかなり早い.唐突に場面が変わり過ぎて,置いていかれることも少々.しかしオーバークロックこと超加速能力への理屈付けや仕掛けの使い方は悪くないと思う.ちょっとネタバレになるけど,『時空のゆりかご』(感想)とまったく同じ仕掛けが使われている.同じ境遇を経ても,着地点がだいぶ違ってくるのが興味深いところ.東西の違いなのか対象読者の違いなのか.暇があれば読み比べてみるのもいいかもよ.