赤城大空 『出会ってひと突きで絶頂除霊! 2』 (ガガガ文庫)

塀の陰から現れたのは――巨大な金属の塊だった。

それまでどこに身を潜めていたのか。身の丈三メートルはあるだろう漆黒の鎧。身長よりもさらに大ぶりなロングソード。顔全体を覆う兜の隙間からは赤い光が眼光のようにひとつ瞬き――俺を見下ろしていた。

そしてそいつは男女の判別のつかない濁った声で、確かにこう言ったのだ。

『ロリコン……滅ぶべし……』

淫魔眼と絶頂除霊(テクノブレイカー)によって乳避け女を退け,退魔師の仮免許を手に入れた晴久たちは,通称ロリコンスレイヤーと呼ばれる怪異を追っていた.……のだが,その能力を危険視した退魔師協会によって,監視役をつけられることになってしまう.やってきたのは晴久の妹分,文鳥桜だった.

アイエエエ! とは言わないロリコンスレイヤー登場の巻.乳だの絶頂だの言っているけど,やっていることは良くも悪くも手堅い異能アクションだと思う.「下セカ」同様,テキストのセンスで読ませてくれる印象.バトルで飛び交うのが血じゃなくて謎の体液だったり,えらいぬるぬるしててくさそうなクライマックスがその理由付けも含めて良い感じ.なんだかんだと楽しく読んでおります.