紅玉いづき 『悪魔の孤独と水銀糖の少女』 (電撃文庫)

悪魔の孤独と水銀糖の少女 (電撃文庫)

悪魔の孤独と水銀糖の少女 (電撃文庫)

あの人達の死が。正しかったなんて、絶対に言ってはやらない。間違いでもいい、間違いでもいい。

偽物でも、生きろ、生きろ、生きて、ひとつ、傷のひとつでもいい。

正義という、偉大な聖者に――復讐を。

黒い海を越え,呪われた島を訪れた,人形のような美しいシュガーリア.世界で最後の死霊術師(ネクロマンサー)である少女の望みは,仲間たちを殺した世界に復讐を遂げること.シュガーリアは島で悪魔に取り憑かれた大罪人,ヨクサルと出会う.

世界で最後の死霊術師(ネクロマンサー)となった少女の最後の復讐と恋と.すべてが終わってしまった,呪われた島を舞台にしたファンタジー.美しくて残酷で,儚い物語はまさに作者の十八番.さまざまなものを詰め込みながら,非常に美しく語られる物語はさすがだと思う.あまり語るべきことは浮かばないのだけれど,しみじみと良い作品でした.