- 作者: 松山剛,珈琲貴族
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/05/25
- メディア: 文庫
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【スペースライター】
それは過去の記憶の
『空き容量』 に、現在の記憶を『書き込める』 機械。すなわち『過去の世界』に行ける――手垢のついた言葉で『タイムマシン』ということだ。
2022年12月11日.軌道上のすべての人工衛星が落下し,「世界一美しいテロ」と呼ばれる事件が起こった日.このテロにはたったひとりだけ犠牲者がいた.それから3年が経っていた.
はじまりは2025年.夢を持てないまま25歳になってしまった無職の男が,ISSで授かった最初の「スペースベイビー」にして引きこもりの少女を救う.つくば周辺を舞台にした宇宙開発SF,かと思いきやのタイムリープ青春小説.自分の夢が未来を変えたり,ネットで「正義」をなす「地球人」が誰かの人生を大きく歪めたりといった部分を手堅く丁寧に描いていると思う.舞台やテーマ的にも映像化すると映えそう.
SFだと思って読むと煮え切らないところも多いかな.しかしJAXA筑波宇宙センターや「きぼう」といった実名が使われていたり,しっかりした取材のあとが垣間見える.まだプロローグといった感じだけど先が気になる.追いかけようと思います.