栗ノ原草介 『魔法少女さんだいめっ☆』 (ガガガ文庫)

魔法少女さんだいめっ☆ (ガガガ文庫)

魔法少女さんだいめっ☆ (ガガガ文庫)

才能がなければ、好きなこともやりたいことも、やってはいけない。

ずっと、そんなふうに思っていた。

でも――

高校生ハルは,かつて世界を救った魔法少女,ぷりるら☆遥奈の息子.永遠の十七歳にして銀河一かわいい母親に無理やり「二代目魔法少女」になる契約を結ばされてしまう.どうししても魔法少女になりたくないハルは,なんとか三代目を押し付けられる相手を探すことになる.

第12回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作.これもある種のスポ根ものと言っていいかな.魔法少女に憧れながらも才能ゼロの少女が,「好き」の気持ちだけで努力し,ついに三代目の座を勝ち取るまでの物語.正直なところ盛り上がるまでが退屈で長いのだけど,熱い後半の展開はとても良い.憧れるもののためにまっすぐ努力すること,好きの気持ちと才能の関係を描いた,変化球のようでいてその実かなりストレートな話でした.