- 作者: 軽井沢洋一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/05/09
- メディア: Kindle版
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「これからの日本はね。間違いなくテロの時代に突入すると思う。あの昔の赤軍みたいに、日本人同士のテロじゃなくて、外国人による爆弾テロが活発化すると踏んでるんだ。その時、専門家がいなかったら、どうにも対処のしようがない」
もうすぐ夏休み.私立セント・カノッサ学園に通う7人の高校生は,自A隊の体験合宿に参加することに決める.宿泊費や食費は無料,その上1日1万円支給,さらに特殊訓練に参加すれば100万円が支給されるというおいしい話.しかし突如として政府の仕掛ける“実験”に巻き込まれる.
100万円に釣られて自A隊基地にやってきた一同,リアル戦地に宅配されるの巻.発売当初にちょっと話題になっていたのを見て積んでいたのだけど,なるほどこれは珍品だ.さも重要なテーマのように挙げられる「宅配」なのに,ぜんぜん出てこないなあと思っていたら,まさかこんな雑な扱いをされるなんて.
自A隊とは何なのかまったく説明がないとか,そもそも100万円のレベルの仕事じゃないだろとか.一人称と三人称が混じっているとか後半の力尽き具合がひどいだとか,突っ込みどころがむちゃくちゃ多い.全体的にとにかく雑で,一冊にまとまっているのがちょっとした奇跡だと思う.