![瑠璃色にボケた日常 (MF文庫J) 瑠璃色にボケた日常 (MF文庫J)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51voWUdA75L._SL160_.jpg)
- 作者: 伊達康,えれっと
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2012/11/30
- メディア: Kindle版
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「だから私は言ってる。君は理由付けを間違った。改めて決め直して納得してしまえ、と」
それを俺が決めていいのか。小田切の意思を、コロコロ勝手に変えていいというのか。
「いいのさ。死人には意思などないのだから。この世とは生者のものだ。死人に主張する権利などない」
高校生の紺野孝巳は,日々枕元に立つ友人の幽霊に悩まされていた.ある日,孝巳は校内にお祓い研究会があることを知る.だがその部室を訪ねた孝巳に霊能者・有働瑠璃が言うには,ここはお祓い研究会ではなくお笑い研究会であるという.
「おはらい」を求めて出かけたら「おわらい」の一員にされたでござる.第8回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作.タイトルはこんなだけど,独特の主張を持った良い幽霊ものだと思う.この世は生者のものであり,死人は意思を持たない.生者が勝手に理由付けしているだけ,そこを間違えるな,というスタンス.それをお笑いというオブラートでくるみながら,どこか冷めた言葉で語っていく.作品のテーマの強さが,そのままヒロイン瑠璃の存在感を表している.
あらすじを斜め読みして日常系かと思っていたら,「お笑い」と「お祓い」の理由付けがしっかり取れた話でとても良かった.玄関の靴箱の上に丸六年積んで,毎日目にしながらそのままにしていたのが申し訳ない.続きも買います.