赤城大空 『出会ってひと突きで絶頂除霊! 3』 (ガガガ文庫)

『万単位で人間が消えるような怪異、いくらなんでも個人の力を逸脱しすぎだ。この怪事件は組織的な霊能テロの可能性が高い』

一度ハマったら三次元に戻れなくなるというアプリゲーム「ホテルラプンツェル」.当初は都市伝説と思われていたが,ゲームをプレイしていた人々が次々と失踪していることが明らかになる.事態を怪異であると認定した退魔師協会は,晴久たちを含む100人でゲームに挑むことになる.

体液が飛び交う退魔活劇の第三巻.火のついた「正義」が引き起こしたテロが誰かの心を踏みにじり消えない傷をつけ,狭い世界に閉じ込めてしまう.「ホテルラプンツェル」がなんとなく『レディ・プレイヤー1』っぽいなと思ったらどうやら正解だったらしい.デビュー作『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』を彷彿とさせる,学園エロコメの皮を被った社会派寄りの伝奇アクションになっていると思う.

テキストや随所に挟まれるネタがいちいち秀逸なので,わりと長い(というか大半を占める)ギャグパートも退屈しない.朝立ちでテントを張ってがちキャン△とかよく思いつくし,そもそもよく書くわ.下ネタと伝奇のバランスが最高だと思うし,行けるところまで追いかけていきたい.



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