相沢沙呼 『小説の神様 あなたを読む物語(上)』 (講談社タイガ)

小説の神様 あなたを読む物語(上) (講談社タイガ)

小説の神様 あなたを読む物語(上) (講談社タイガ)

想像、できないのだろう。

読者の想像力は、そこまで落ちたのだ。

僕たちが相手にしている読み手は、その程度の想像力しか持ち合わせていない。

「帆舞こまに」というペンネームで合作小説を発表した一也は,共作相手の小余綾が言った続刊を出したくないという言葉の真意を測りかねていた.一方で,文芸部の後輩,成瀬は自分が物語を書くきっかけになった友人との再会を望んでいた.

物語はひとの心を動かすのか.そもそも現代において,物語は誰かの心まで届くのか.ネットの感想に傷つけられ,違法な海賊版サイトとその利用者に絶望する.努力や才能は,運に勝てない.「物語」への想いが辛辣な言葉で語られる,『小説の神様』の続編.読者への諦念を叫ぶかのように,まるで小説の技巧をかなぐり捨てたかのような直接的な言葉を叩きつける.果たしてこの醜い現実に物語の居場所はあるのか,どういう結論を出すのか.今月に出る下巻を待とうと思います.

物語は人の心を動かさない。

わたし自身の存在が、どうしようもなくその事実を証明していた。

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