相原慶 『おいなりさんは恋をする。』 (講談社ラノベ文庫)

おいなりさんは恋をする。 (講談社ラノベ文庫)

おいなりさんは恋をする。 (講談社ラノベ文庫)

「あなたが異性と話すと、あなたのおいなりさんに激痛が走るようにしてもらったわ」

高校生,神上愛のもとに,姉が金髪の少女を連れてきた.その少女いなりは,愛が子供のころに助けた狐が成長した姿なのだという.いなりとの同居を強要してきた姉は,ついでに異性と話すとおいなりさんに激痛が走る呪いを愛にかけてくる.呪いを解く条件は,九人の異性においなりさんを握ってもらうこと.

きつねの押しかけ女房とのラッキースケベ多めの同居生活,それとおいなりさんにかけられた呪い.第7回講談社ラノベ文庫新人賞優秀賞受賞.アイデアに品がないことこの上なし.しかし,それ以上にキャラクターたちが何を考えているのかよくわからないのであまりエロコメという感じがしない.主人公はただ流されるだけで行動原理がないし,主人公の姉が弟との結婚を本気で狙う理由もわからない.単なる説明不足か,お約束を踏襲しているだけなのかもしれないけど,ただただ虚無.読んでいて不安になった.