- 作者: 鴨志田一,溝口ケージ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/04/10
- メディア: 文庫
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きっと、楽しそうに、うれしそうに、「ほっぺたが落ちそうです! お兄ちゃん、かえでのほっぺたはまだついてますか?」とか言ってきたに違いない。
けれど、その光景を咲太が目にすることはもうない。その声を咲太が聞くという願いはもう叶わない。胸にちくりと走る痛みこそが、この二年間、『かえで』が確かに存在していた証だから……。
3学期.咲太の妹の花楓は,兄と同じ高校に進学したいと打ち明ける.少しずつ外へ出られるようになっていた花楓の大きな決意を,咲太たちは全力でサポートすることになる.
ひとつの区切りを越えて,新たな一歩を踏み出したシリーズ第八巻.思春期症候群もひと休み,話の中心は引きこもりだった妹の高校受験,彼女の大学受験,来年に迫った自分の進路.正直,ここだけだと非常に地味な巻.ここまであったいろいろなことが落ち着いて,やっと当たり前のことに悩むことができるようになったんだ,と思うと感慨深い.「いっぱい泣いて、たくさんの人たちに支えられ、やっと取り戻した“当たり前な日常”」という煽り文句を見るだけでちょっと泣ける.
これでようやく最新刊に追いついた.引き続き追いかけようと思います.