円居挽 『京都なぞとき四季報 古書と誤解と銀河鉄道』 (角川文庫)

京都なぞとき四季報 古書と誤解と銀河鉄道 (角川文庫)

京都なぞとき四季報 古書と誤解と銀河鉄道 (角川文庫)

「馬鹿野郎! まだ気がつかねえのか?」

「はあ……」

もしかしてミステリ研ならではの視点で何かに気がついたのだろうか。何にせよ、新発見なら大歓迎だ。

「銀河の叡電だぞ? つまり銀河叡山電鉄、略して銀叡電じゃねえか。それはちょっと出来過ぎだ」

「そっちですか?」

京大の街歩きサークル,賀茂川乱歩の遠近倫人は,片思いの相手である青河幸との距離感の変化に戸惑っていた.京大生たちが乱歩する,「京都ご当地ミステリー」の第二巻.なんというか,今までの作者の作品のなかでもいちばん素直な青春ものの気がする.対人関係に失敗し,ちょっと成長する主人公の姿がものすごく新鮮.もちろんそれだけではないのだけど,作者の恋愛観とか恋愛経験とかを知りたくなるタイプの話でした.そっちにフォーカスしたインタビューはあったかな.


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