- 作者: 牧野圭祐
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/09/19
- メディア: 文庫
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「宇宙に未来を見て、科学に希望を抱く、世界中のみんなの夢を――」
そして、テレビから流れてきたヒット中のラブソングに合わせて、魔法を唱える。
『フライ・ユー・トゥ・ザ・ムーン』
あなたたちを月へ連れて行く。
東の共和国連邦と西の連合王国の宇宙開発競争がますます加熱する1962年.アーナック連合王国の都市マリンシティで「二一世紀博覧会」が開催されることが決定した.テーマは「宇宙時代の人類」.バートとカイエは万博でのカンファレンスに参加することになる.
三巻に続き,西の大国側の視点で冷戦下の宇宙開発競争を描いてゆく.1962年のシアトル万博や,キューバ危機をモデルにした事件をベースに,虚実を入り混ぜた話作りは非常に安定している.アポロ計画を基にした「プロジェクト・ハイペリオン」の方針決定も然り.しかし,元ネタ探しをするにはいいんだけど,話の方は正直安定しすぎてわくわくしない.悪い意味で司馬遼太郎を読んでいるときのような気持ちになった.完全に難癖で申し訳ないんだけど,難しいな.