オキシタケヒコ 『筺底のエルピス6 ―四百億の昼と夜―』 (ガガガ文庫)

筺底のエルピス 6 -四百億の昼と夜- (ガガガ文庫 お 5-6)

筺底のエルピス 6 -四百億の昼と夜- (ガガガ文庫 お 5-6)

鬼は人間だけに憑依する。だがそれは、この惑星上の話でしかない。

もし、殺戮因果連鎖憑依体の襲撃が、この宇宙に普遍的に存在する現象だったとしたら。

宇宙から知的生物を滅ぼし尽くすものが、鬼なのだとしたら。



地球外文明の声が決して届かないのは――殺し尽くされているからだとしたら。

《門部》,《ゲオルギウス会》,《I》(ジ・アイ).人類史のはじまりから現在に至るまで,歴史の裏で殺戮因果連鎖憑依体を狩り続けてきた三組織の代表者が集まった.

人類,異星知性体,殺戮因果連鎖憑依体.三者の歴史が語られ,繰り返されてきた捨環戦の末に,人類史の終わりが始まろうとしていた.終わりと始まりの間にある「継続」を描く第六巻.時空が入り組んだ物語の一端が明らかにされ,バトルがないのにこの緊張感よ.なぜ《三》なのかの理屈や,神話やらオカルトやらいろんな方面に広げた風呂敷がどれもこれも楽しすぎる.次も早う,早う.気長に待っております.