- 作者: 松山剛,珈琲貴族
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/02/25
- メディア: 文庫
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「人生が試験であるならば、先輩は地球人口である七十億人、その全員の人生を否定したんです。歴史から抹消したんです。歴史上どんな卑劣な独裁者でもできなかった蛮行を、先輩はやってのけた。七十億人すべての人生を否定した――なきものにした」
真面目な委員長がアイドルを目指しはじめた一方で,もうひとりのタイムリーパーが現れる.正直想像もしていなかった展開に持ち込まれたシリーズ三巻.タイムトラベルに行こうが,異世界に転生しようが,人生は過去の積み重ねであって,本当の意味でやり直すことはできない.そして,人生はいつか必ず終わる.じゃあそこに意味はあるのか? みたいな.ループものの物語において,切り捨てられた時間軸と世界(とヒロイン)はどうなるのか.よくある問題へのひとつの回答を,物理的な力を持つ圧倒的で説得力で描いてゆく.捨環戦で捨てられた側の世界の物語というか.帯に言う「タイムリープの罪と罰」のことをぐるぐる考えてしまった.