- 作者: 高橋祐一,岩本ゼロゴ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/05/01
- メディア: 文庫
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「お前がわたしの裁判の一部始終を見届けたように、今度はお前にはわたしの
復讐 と、『裏切り者』を探す旅のすべてを見届けてもらおう。それがお前の贖罪だ。すべてが終わったとき、わたしはお前を赦すだろう」
1434年.ギョーム・マンションは,3年前に死んだはずのジャンヌ・ダルクに首をはねられた.ルーアン異端裁判所筆頭書記官として,
ルーアン,シノン,ポワティエ,オルレアン.蘇った聖女の復讐の旅,というには,不死身の聖女ジャンヌがポンコツすぎる.復讐相手を見つけると制止も聞かず「殺す今すぐ殺す」と突っ込んでいくわ,けっこうな食いしん坊だわ,祭の演劇で本人役を演じることになるわという.書記官とポンコツ聖女の復讐道中という方がより近い.シリアスな場面ももちろん多いとはいえ,印象としては語られるテーマと実際にやっていることの間のズレがかなり大きい.意図的なものかよくわからないのだけど不思議な読み心地になる.