日下一郎 『妹戦記デバイシス』 (スマッシュ文庫)

妹戦記 デバイシス

妹戦記 デバイシス

(妹)(わたし)たちはね、関係性の上に構築された生命なの。

人類が物質上に構築された生命であるようにね。

そして、人類が生存のため、自己以外の物質からのエネルギーを必要とするように、(妹)(わたし)たちも自己以外の関係性からのエネルギーを必要とする。

世界が異世界からの侵略者アウタ・シスの侵略を受けてから3年.地球の半分は不可侵領域「妹圏(シス・ゾーン)」に覆われていた.「妹」の持つポテンシャルを妹機関(シス・ドライブ)に転用することに成功した人類は,最後の希望とともに「妹」への反攻を開始する.

人類と「妹」の最終戦争が始まる.どことなく『蒼穹のファフナー』っぽさを感じる侵略SF.自らを「妹」と強制認識させる侵略者アウタ・シス.見るだけで汚染し感染する概念侵略兵器.まったく異なる生態を持つ人類と「妹」との対話.オーソドックスながら水準以上にまとまっていると思うのだけど,ギャグのセンスが合わないのがつらい.気にしないひとは気にしないだろうけど,話の流れからあまりに浮いていた.妹力(シス・フォース)妹龍(マイバーン)という言葉遊びはいいとして,序文とかMSXへのこだわりとかはいらなかったよなあ.