- 作者: 門田充宏
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2019/05/11
- メディア: 単行本
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たとえ愚かだと笑われたとしても、それでも世界の善意を信じて生きていく方が、きっと、ずっといい。
第5回創元SF短編賞受賞のデビュー作『風牙』のその後を描いた三編,「六花の標」,「銀糸の先」,「追憶の杜」を集めた中編集.記憶の汎用化技術がより一般的になり,
柔らかい関西弁に乗せて,「記憶」が持ちうる可能性を静かに語ってゆく.あたかもインタープリタが記憶を汎用化するかのように.帯が言う「祈りと希望」を信じることを前提とした物語は,ひとの数だけ存在する記憶になにができるかを,読者といっしょに探っている感覚がある.驚くようななにかはあまりないかもしれないけれど,上の引用部分のような静かな信念というか,力が感じられた.
kanadai.hatenablog.jp