- 作者: 斉藤すず,ryuga.
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/08/17
- メディア: 単行本
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佐藤菖蒲がTOWA達に求めたのは、あくまで「人間らしくあること」であり、彼女達の性能の全ては、この一点にのみつぎ込まれている。このためTOWA達は人智を超えた思考能力を発揮するわけでもなければ、映画に出てくるロボットのような高い運動能力を持っているわけでもない。ビームも当然出さないし、ジェットで空を飛んだりも勿論しない。あまりにも「普通」に「人間らしい」ヒューマノイドなのである。
しかしその結果、彼女達の「人間らしさ」は常軌を逸した水準に到達した。
2023年の夏.勤めていた会社が倒産して,ニート生活を送っていた僕は鎌倉に移り住み,気まぐれに「由比ガ浜機械修理相談所」を開いた.ある日そこに現れたのは,医師の戸川と,ヒトに近づきすぎた機械である「TOWA」.僕が一級調律師として関わっていた「製品」だった.
第25回電撃小説大賞読者賞受賞作.元開発者と女性型ヒューマノイドの心寄せ合うひと夏の共同生活,その末に待つもの.ストーリーには難病ものとゼロ年代エロゲをハイブリッドにしたような趣がある.『天気の子』を観たときにも思ったけど,時代が一周まわった感があるなあ.
二時間アニメにするとちょうどいい情報量とテンポだと思うけど,正直食い足りない.自分が期待したSFチックな部分が少なかったというのもあるけど,ちょっと話運びに都合が良すぎるところがあるかなあ.ひとによってはかなり好くと思うけど,個人的にはあまり乗れなかった.