ツカサ 『明日の世界で星は煌めく』 (ガガガ文庫)

明日の世界で星は煌めく (ガガガ文庫)

明日の世界で星は煌めく (ガガガ文庫)

世界が終わってしまいました。

まあ今日も変わらず空は青いし、かわいい形の雲は浮いているし、あったかさと冷たさが混じった五月の風は気持ちよくて、河川敷に咲く野花は綺麗なんだけど。

でもやっぱりこの街は――私の大嫌いな世界は、もう死んでしまったんだと思います。

世界が屍人で溢れて一ヶ月.「魔女」こと南戸由貴は,父の遺したペンギンのペラと,生者のいなくなった街でサバイバルな生活を送っていた.そんな春先のある日,街に鳴り響く銃声.そこで由貴はかつて一週間だけいっしょに過ごした生涯唯一の友達,榊帆乃夏と再会する.

終わってしまった世界をふたりは旅をする.ゾンビアポカリプスな世界,旅するふたりきりの少女,ちょっとだけ屋外キャンプあり.現在の流行をすべて詰め込んだような印象を感じる.世界設定の説明とプロローグに一冊まるごとをかけた感じで,雰囲気は十分に感じられるのだけど,今のところは雰囲気だけの小説とも言える.次以降でどうなるかな.楽しみにしてます.