「私……いや、オレはな。オレは今、『ジョン・ウィック』で犬を殺されたキアヌ・リーブスより悲しいよ、赤星……」
九州の地を襲った巨大な陸地.それは,日本最北の大陸だと思われていた超巨大海獣,北海道だった.ミロと,紅菱の王によって子供の姿にされてしまったビスコのふたりは,北海道に呑み込まれる.
北の巫女に導かれ,一族の住む海獣の膵臓へと向かう.大陸と思われていた北海道は超巨大海獣だった! 見開き2ページで解剖図をドーン! 有無を言わせぬパワー溢れる導入の,シリーズ第五巻.アクションの痛快さはド安定,ビスコとミロのイチャイチャも健在.そしていちいち魅力的でぶちのめし甲斐のある悪役の数々.舞台が舞台だけに探検小説の趣もあるかな.「生き方の模索」がテーマだったと著者が言うとおり,迷い間違える敵役というのはこのシリーズでは珍しいかもしれない.今回も楽しかったです.
「証明してくれたもの、あの人。魂が強ければ、身体は関係ないって」