七人の魔女と灰被りの空の御剣者<レガトゥス> (MF文庫J)
- 作者:真野真央
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2015/09/25
- メディア: Kindle版
これが、色彩の魔女による魔法と魔法の攻防戦。
視界に存在するものをいかにして自分の色に染めるか。そこが、魔女同士の戦いにおいて重点を置くべきポイントなのだと理解する。
〈灰色の魔女〉が告げる.「――たった今、世界から“色”が消失しました」.色彩を司る六人の魔女の争いによって,世界から色が消失して六年.極彩省討伐局に務めるアイズ・グレイアッシュは,色霊討伐に向かった森の中で鮮やかな「赤の魔女」に出会う.
灰色一色となった世界を舞台にしたファンタジー.失った「色」と消えた少女を取り戻したいと願う主人公はヒロイックだし,二代目「赤の魔女」との出会いはボーイ・ミーツ・ガールのお約束.記号的な固有名詞が多く,七人の魔女の話ということで,ファンタジーというよりはおとぎ話(揶揄するわけではなく)を意図する面が強いのかな.
「赤の魔女」対「緑の魔女」をはじめ,テーマが「色」なので色の描写は鮮やか.なんだけど,ちょくちょく甘いところもある(色が消えて6年経ったのに,7歳くらいの女の子が色を知ってるか? とか)のは気になった.ラストはすごく気を持たせる終わり方をしているんだけど,続きが出る気配がないのがつらいね……