- 作者:二語十
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2020/01/24
- メディア: 文庫
それは決して折れることのない、信念にも等しい巨悪と呼ぶべき何かだった。
「いいよ」
そして、そんな世界の敵に立ち向かえるのはこの名探偵をおいて他にはいない。
シエスタは長銃を構えてその宣戦布告を受け入れる。
君塚たちの前に現れた,映像のシエスタは告げる.「どうか見届けてほしい。私の死の真相を。そして、私が挑んだ最後の戦いを――」.
名探偵と助手の三年に至る戦いとイチャイチャ,そして別れ.これは,探偵がまだ死んでいなかった頃の一幕.特撮ヒーローものの劇場版,もしくはエピソードゼロに甘々なシロップを塗りたくったような話であった.悪の女幹部が登場したり,巨悪の組織が中学校の文化祭を狙うあたり,完全に仮面ライダーを狙ったノリなのではなかろうか.「
二巻にして早くも世界の敵《SPES》の正体と目的,そして名探偵の死の真相とその後が明らかにされる.のだけど,あまりにストレートなイチャイチャっぷりと,風呂敷の広げ方がなかなか凄まじくてびっくりした.これほど「なんでもあり」という言葉がぴったりくる展開はそうそうないと思うぞ.この時点でここまでやってしまったのであれば,三巻以降は本当にどんなストーリーにでもできそう.ホラーミステリでも侵略SFでも,新本格ミステリでも学園ラブコメでも.すべてを包摂しているし,どの可能性もある.引き続き行く末を見守っております.
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