赤城大空 『出会ってひと突きで絶頂除霊!6』 (ガガガ文庫)

槐の身体に巣くうは、サキュバス王が有する特殊感覚器官《サキュバスの角》。

その能力は――感度三千倍。

《サキュバスの角》に取り憑かれた童戸槐が,アンドロマリウスにさらわれた.この未曾有の霊災に,十二師天は退魔師協会が発足して以来初となる,退魔師と警察官総勢1400名に及ぶ大規模作戦を展開する.射抜いた相手を感度3000倍にする能力で暴走する槐と,それを殺害するべく対峙する十二師天.晴久たちは槐を助けるため,二者の間で無謀な賭けに出る.

東京を舞台に,サキュバス王の角 vs. 十二師天 vs. 絶頂除霊(テクノブレイカー)の三つ巴の戦いが繰り広げられる.エロとアクションと現代伝奇のシリーズ第六巻.災害としての「感度3000倍」(そのままだけどよかったのか)に,1000年以上誰にも祓えることのなかった呪われたサキュバス王の性遺物,そしてあらゆる汁がほとばしる.テーマ的にも山田風太郎を正しく受け継いでいると言える.同じガガガ文庫から出ている「魔法医師の診療記録」と比肩する,良い現代伝奇小説シリーズになったのではないでしょうか.



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