月見秋水 『世界一可愛い娘が会いに来ましたよ! 2』 (MF文庫J)

「分かりました! では『ママ会戦』に勝つために『NTR(難易度の高い恋愛)作戦』、始めましょう!」

NTR作戦、始まります!

「やっぱり燈華のネーミングセンスは……最高だな!」

高校二年生の久遠郁にとうとう彼女ができた。いい雰囲気になりファーストキスの空気……。そこに、未来に帰ったはずの未来の娘、燈華が乱入してきた。感動の再会と同時に、郁は記憶が改変されていたことを知る。

気づいたら知らない娘と恋人になっていたうえ、帰ったと思った娘がすぐに帰ってきたでござるの巻。未来からやってきた娘と、協力してのママ探し、第二巻。荒いところも多いのだけど、キャラクターの個性の強さとテキストの勢いで最後まで押し流している。細かいことは気にすんなという姿勢は一巻も同様だけど、それを徹底して、なおかつ成功しているのは珍しい。作者の一貫性というかある種の強さを感じる。タイムスリップや記憶操作といった仕掛けを使いつつ、SF的な原理が曖昧なのは気にするひとは気にするかもしれない。良いラブコメでした。



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