手水鉢直樹 『魔力を統べる、破壊の王と全能少女 ~魔力を扱えないハズレ特性の俺は無刀流で無双する~』 (電撃文庫)

精霊は対価なく人の願いを叶えたりしない。咒幣(コイン)を精霊に支払い、精霊の力で産業を発達させ生活を維持している世界の常識であった。

真偽はともかく、商売の神というのも、精霊の一種とみなされている。

第五研究所付属独立教育学校に通う天神円四郎は、自分では制御できない《破壊》の特性を持つために落ちこぼれていた。ある日、バイトで訪れたゴミ処理場にて、ダストシュートから降ってきた少女に出会う。少女は自分がふたつの魂を持つ、「メリル・ヒューストンか、リン・チューリッヒ」だと名乗る。

貨幣と魔力を兼ねた咒幣(コイン)が世界中で使われるようになって150年。人々は端末を使って咒幣(コイン)を精霊に払い、産業を発展させてきた。そんな世界のボーイ・ミーツ・ガール。かなりの量のアイデアが詰め込まれているのは良いのだけど、文章の起伏がなく、かつ説明しすぎで、面白く感じられるまでが長い。オルト咒幣(コイン)だとか、通貨のシステムを取り入れた魔術の説明は面白いと思うし、もう少しブラッシュアップされていれば、という気持ちが強いかなあ。



kanadai.hatenablog.jp